映画『35年目のラブレター』ロケ地めぐり ~奈良の観光スポット徹底ガイド~

引用:https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/3/233991.html
はじめに
2025年3月公開の映画『35年目のラブレター』は、長年連れ添った夫婦の人生と愛を描いた感動作です。この映画は奈良市を中心に撮影され、物語の随所で奈良らしい風景や建物が映し出されました。古都の落ち着いた町並みや自然豊かな公園、そして人々の暮らしに根差した場所が舞台となることで、映画は一層の深みを持ち、観客に「奈良を旅しているような気持ち」を与えてくれます。
本記事では、映画で登場した奈良のロケ地を一つひとつ詳しく紹介しながら、その歴史的背景や観光の楽しみ方も合わせてご案内します。聖地巡礼を楽しみたい方はもちろん、奈良観光を考えている方にも参考になる内容です。
荒池園地(奈良公園内)
映画の中でも印象的に登場するのが荒池園地。主人公の保と皎子がたこ焼きを食べながら語らうシーンに使われました。
特徴と魅力
荒池は奈良公園の一角にある池で、周囲にはベンチや芝生広場があり、市民の憩いの場となっています。春には桜が池の周囲を彩り、夏は新緑、秋は紅葉、冬は静かな水面に空が映り込む風景が美しく、四季折々の表情を楽しむことができます。観光で奈良を訪れる方には東大寺や春日大社が有名ですが、少し足を延ばしてこの池に立ち寄ると、静かな時間が流れ、映画のワンシーンを追体験できます。
映画の中では、夫婦のささやかな日常が描かれる場面として登場しました。観光地としての華やかさではなく、暮らしの延長線にある風景が選ばれたことが、映画のテーマとよく重なっています。
浮見堂
奈良公園の象徴的な風景の一つが、鷺池に浮かぶ八角形の建物浮見堂です。映画では、若き日の保が皎子を自分の店に誘うきっかけとなる場所として登場しました。
特徴と魅力
浮見堂は大正時代に建てられた木造建築で、池に浮かぶように設計されており、奈良公園の景観の中でも特に絵になるスポットです。夜にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気が漂います。
この場所は観光客にも人気で、散策路から眺めたり、堂内に入って池を見下ろしたりと、さまざまな楽しみ方があります。映画の中では、若い二人の未来を象徴する場面として描かれ、観客に「奈良のロマンティックな一面」を伝えてくれました。カップルで訪れるのにもおすすめのスポットです。
奈良町天神社
“ならまち”の中にひっそりと佇む小さな神社、奈良町天神社も撮影に使われました。映画では、保が皎子へ手紙を書く場面の背景として登場します。
特徴と魅力
奈良町天神社は学問の神・菅原道真を祀る神社で、地元の人々に親しまれています。境内は大きくはありませんが、ならまちの町家が並ぶ街並みに自然に溶け込んでおり、歩いていてふと見つけると心が和むような場所です。
映画のワンシーンでは、この“静かな社”が二人の心情を映し出す背景となりました。観光で訪れる際は、周囲のならまち散策と合わせて巡るのが良いでしょう。昔ながらの町家カフェや資料館と一緒に楽しめます。
寧茶亭(なんちゃってい)
ユニークな名前の**寧茶亭(なんちゃってい)**は、西畑家の玄関前として撮影に使われました。
特徴と魅力
この建物は、ならまちにある町家をリノベーションした施設で、伝統的な町並みの雰囲気を色濃く残しています。外観は木格子や瓦屋根といった古都奈良らしいデザインで、映画の舞台として違和感なく溶け込んでいました。
実際に訪れると、映画で見た“家の佇まい”がそのまま残っており、作品の世界に入り込んだような気持ちになります。ならまち散策ルートの途中にあるため、気軽に立ち寄れるのも魅力です。
猿沢池
奈良観光の定番でもある猿沢池は、映画の中で保と皎子のデートや待ち合わせ場所として登場しました。
特徴と魅力
猿沢池は奈良時代から続く名所で、池越しに五重塔を望む景観が有名です。池の周囲は散策路となっており、観光客だけでなく地元の人々の散歩コースとしても親しまれています。
夜には水面に浮かぶ興福寺五重塔のライトアップが幻想的で、映画のシーンを思い出しながら歩くと特別な時間を感じられるでしょう。
奈良町にぎわいの家
映画のロケ地の一つとして名前が挙がる奈良町にぎわいの家は、奈良町観光の拠点施設です。
特徴と魅力
ここは江戸時代の町家を修復して公開している施設で、昔ながらの暮らしを体感できる場所です。観光案内所や展示スペースもあり、ならまち散策のスタート地点に最適です。
映画の中では町家らしい生活空間がリアルに表現され、物語の背景として活用されました。観光で訪れれば、当時の生活や文化に触れながら映画の世界観も味わえます。
城戸橋
ロケ地マップにも登場する城戸橋は、物語の中で町と町をつなぐ象徴的な場所として使われました。
特徴と魅力
この橋は奈良市内の町並みをつなぐ小さな橋で、観光地というよりは生活に根差した風景です。映画の中では、人生の岐路や人と人をつなぐ象徴として橋が登場することが多く、この作品でも印象的に描かれました。
観光で訪れる際は、映画の中で交わされた視線や会話を思い出しながら歩くと、特別な意味を感じられるでしょう。
朱雀門
奈良時代の都・平城京の正門を復元した朱雀門も映画に登場しました。
特徴と魅力
朱雀門は平城宮跡歴史公園のシンボルで、壮大なスケールを誇ります。観光地としても人気で、季節ごとにさまざまなイベントが行われます。
映画では、奈良という土地のスケール感や歴史を象徴する場面として登場し、作品に奥行きを与えていました。
佐紀町からの大極殿眺望
佐紀町から望む平城宮跡・大極殿の景観も撮影に使われました。
特徴と魅力
奈良の広々とした風景の中に、大極殿の堂々たる姿が浮かび上がります。観光で訪れると、歴史と自然が一体となった雄大な景色を体感できます。映画では“人生を振り返るシーン”の背景に使われ、観客の心に深く残りました。
奈良市立春日中学校 夜間学級
主人公・保が夜間中学で文字を学ぶ場面は、実際に奈良市立春日中学校の夜間学級で撮影されました。
特徴と魅力
春日中学校の夜間学級は、実際に社会人や外国人が学びに来る場として運営されています。映画では、学ぶことへの真剣な気持ちや人生を前に進める強さが描かれました。観光スポットではありませんが、映画にリアリティを与えた重要な舞台です。
奈良県中央卸売市場(大和郡山市)
保が寿司職人として魚を仕入れるシーンは、奈良県中央卸売市場で撮影されました。
特徴と魅力
ここは奈良の“食の台所”として知られ、鮮魚や青果の取引が行われています。一般の観光客が自由に出入りできる場所ではありませんが、奈良の食文化を支える重要な拠点です。映画では、主人公の仕事や生活のリアリティを伝える場面として描かれました。
聖地巡礼おすすめルート
映画のロケ地を効率よく巡るなら、以下のルートがおすすめです。
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ならまち散策ルート
寧茶亭 → 奈良町天神社 → 奈良町にぎわいの家 → 猿沢池 → 浮見堂
(徒歩で回れる定番コース。映画の町並みを感じやすい) -
奈良公園自然ルート
荒池園地 → 浮見堂 → 佐紀町(大極殿眺望) → 朱雀門
(奈良の自然と歴史を一緒に楽しめる) -
生活の風景ルート
春日中学校夜間学級(外観) → 中央卸売市場(見学機会があれば) → 城戸橋
(映画の“日常”に触れられる)
まとめ
映画『35年目のラブレター』のロケ地は、奈良の有名観光地から市民に親しまれる生活の風景まで多岐にわたっています。浮見堂や猿沢池のように観光客に人気のスポットもあれば、春日中学校夜間学級や中央卸売市場のように地元の暮らしを映し出す場面もあり、奈良という土地の奥深さを実感できるでしょう。
聖地巡礼を目的に訪れる方も、ただ観光として奈良を歩く方も、映画の舞台をなぞることで「物語の世界」と「現実の奈良」が重なり合い、特別な旅の記憶になるはずです。