1. 基本的な考え方
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モルタル外壁は透湿抵抗が大きく、外壁内に湿気が入ると抜けにくい構造です。
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吹付断熱を充填してしまうと、壁体内に通気層を確保するのが難しく、湿気が滞留すると 壁内結露や構造体の劣化につながります。
2. 一般的な納まりの選択肢
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外壁側に通気層を確保する方法
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モルタル外壁を「直貼り」ではなく、ラス下地(通気ラス下地)+通気胴縁を施工して、その後モルタルを塗る。
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この場合、通気層が外側に確保されるため、吹付断熱を充填しても壁体内換気は通気層で対応できます。
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内側に防湿層を設けて湿気を入れない方法
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通気層を設けられない(直貼りモルタル)場合は、吹付断熱の室内側に 防湿シート(気密シート) を施工し、室内の湿気を壁内に侵入させないようにします。
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この場合は「壁体内換気を取らない」設計になりますが、その分 気密・防湿処理を徹底する必要があります。
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リフォーム時の対応
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既存のモルタル外壁を活かすリフォームで吹付断熱を行う場合、通気層を追加できないことが多いです。
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この場合は「防湿層強化(室内側で湿気を止める)」が現実的な方法になります。
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3. 注意点
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直貼りモルタル+吹付断熱で通気層なし → 最もリスクが高い
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※安易なリフォームでの吹き付け断熱は要注意!
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通気モルタル工法+吹付断熱 → 壁体内換気を通気層で確保できるので望ましい
※通気胴縁を施工するのが望ましい。
※もしくは、グラスウールでの施工がおすすめ
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改修工事で通気が取れない場合 → 気密・防湿を強化し、できれば透湿抵抗のバランスを計算して設計することが必要
✅ まとめると:
モルタル外壁に吹付断熱をする場合、基本は外壁側で通気層を確保することが推奨です。
通気層を確保できない場合は、室内側で防湿層を設け、壁体内に湿気を侵入させない設計にするのが一般的です。
ご希望なら、**「新築の場合」と「リフォームの場合」での具体的な納まり図のイメージ」**を整理して解説することもできますが、そこまで掘り下げますか?